橘芳 本との交友

読んだ本の整理を兼ねた本との交友録です。

2022-01-01から1年間の記事一覧

高野和明『ジェノサイド』

久しぶりの交友録。気づけば12月で驚いています。本は毎日少しずつ読んでいます。 そして、本書を久しぶりに再読。「超弩級のエンタテインメント(背表紙に書いてある)」を楽しみました。話を覚えているのに新たに楽しめる。なんて素敵な存在なのでしょう。…

コロナ禍三年目の読書

最近、友人がたくさんできました。コロナ禍三年目の読書として交友を記しておきます。 一年目、新型コロナウイルスに関する本は怪しいと感じるものが多かったので何となく手はつけず、感染症の歴史やイタリア人のエッセイなんかを読んだのを覚えています。 …

田中芳樹『銀河英雄伝説』

久しぶりの再読です。引っ越しで手放したので図書館で借りました。 一緒に引っ越さなかったのは、本棚の場所が限られていたのと、何度も読んで好きな場面は覚えていたのと、全巻再読しようと思う機会は今後多くないだろう、もし読みたくなったら、たいていの…

谷川俊太郎『定義』

石井桃子さんは、子どもに歯ごたえのある本をすすめていらっしゃいましたが、この本は私にとって歯ごたえがありすぎて、歯が折れてしまうタイプの本です。 新品が売っていなかったため、古書を購入。定価の3倍程しましたが、どうしても読みたくて買ってしま…

田村隆一『詩人からの伝言』

猫の表紙が可愛らしいです。田村さんの「猫」という名の猫なのでしょうか。 久しぶりに読んでとっても元気が出ました。 田村さんは太平洋戦争のとき、兵役を逃れるために大学に入ったけれど学徒出陣となり、終戦時には舞鶴(海軍)にいらっしゃったそうです。…

山本素石 ヤマケイ文庫『山釣り』傑作集

先日読み終わり、とても面白かった本です。 読書ができるようになりました。気づけば机の上に十数冊積んであり、自分でもわけがわからなくなったり脳が膨満したりする感じですが、とても幸せです。 本書はモンベル店舗内の本棚で見つけました。父が渓流釣り…

エリック・ワイナー『世界しあわせ紀行』

今回、再読して2回目はより面白いことがわかりました。 ただの旅行記ではなく、楽園を求めて10カ国も訪れて綿密な取材と観察を行っています。大変な仕事だったと思います。 著者の姿は、中島敦『悟浄出世』の悟浄を彷彿とさせました。 文章から、とても真面…

養老孟司『養老孟司特別講義 手入れという思想』

養老さんの講演が文字になってまとまった本です。 今までいろいろと著書を読みましたが、養老さんの考え、主張がコンパクトに詰まっている本だと思います。 しかも話し言葉なので、お話を聴いている感覚で読めるのです。 ただ、内容が多岐に渡っているため、…

ブルース・リー/ジョン・リトル(監修)中村頼永『ブルース・リー ノーツ 内なる戦士をめぐる哲学断章』

十年以上ぶりに再読しました。 ブルース・リーが残した言葉を、ジョン・リトルという方がまとめた本です。 武術を通した人生哲学が書いてあります。 読んでいると、ほんの一部難解なところもあるかもしれませんが、読み続けるとわかります。なんとなくでもい…

ローレンス・ブロック『おかしなことを聞くね』

少しずつ読書ができるようになってきて、読んだばかりの短編集です。 宮部みゆきさんのエッセイで紹介されていた本で、曰く、寝る前に1篇だけ読もうとページを開いたのに朝まで読みふけってしまったとのことで、面白い本を書く作家が面白いという本はきっと…

長田弘『一日の終わりの詩集』

今年になってから毎晩本書を(『万葉集』と交互に)読んでいました。 どうも今の私にはひとつひとつの詩を識別する気力がなく、「言葉・独り・沈黙・死」について書かれていた気がするという詩集全体の印象しか抱けなかったのですが、 心惹かれた言葉のつな…

花神ブックス1『増補 茨木のり子』

新年が明けて初めての交友録は茨木のり子さんです。 昨年9月から多忙になり、殺伐とした職場で神経は弱り、気力も削がれ、とにかく体力だけでも回復させるために睡眠時間は確保に努めた結果、本が読めなくなりました。 時間がなかったのもありますが、長い…