橘芳 本との交友

読んだ本の整理を兼ねた本との交友録です。

ブルース・リー/ジョン・リトル(監修)中村頼永『ブルース・リー ノーツ 内なる戦士をめぐる哲学断章』

十年以上ぶりに再読しました。

ブルース・リーが残した言葉を、ジョン・リトルという方がまとめた本です。

武術を通した人生哲学が書いてあります。

読んでいると、ほんの一部難解なところもあるかもしれませんが、読み続けるとわかります。なんとなくでもいい、読み続ければいいのです。

たくさんあるので、とっつきにくければ太字のところだけ読んでもいいのです。

表紙上部に「THE WARRIOR WITHIN(内なる戦士)」と書いてあり、実際に武術に関わる人だけではない多くの人に向けての、人生をよりよく生きるための考え方、また逆境の克服の仕方や、ストレスへの対処についてなどがたくさん書かれています。

表紙といえば、ブルース・リーが今にもヌンチャクを繰り出そうかという一瞬を劇画チックに描いており、購入時(当時ネットで買う方法を知らなかったため書店で取り寄せ)書店員に差し出されて少々恥ずかしかった乙女時代を思い出します。

購入した経緯は、「燃えよドラゴン」を観て、ブルース・リーに憧れまして、その後、彼のその他の映画を観ただけでは飽き足らず本書を買い求めたのでした。

ブルース・リーの初期の映画は構成がなんだかメチャクチャだと思うので、洗練されているのはやはり「燃えよドラゴン」ではないでしょうか。ただ、気さくな笑顔の見られる「最後のブルース・リー ドラゴンへの道」も好きです。また、先述した初期映画のストーリーはやりたい放題な感がありますが、やはり動きはかっこよく、スロー再生でも十分見られる美しさだと感じます。

余談ですが、職場の方に「燃えよドラゴン」DVDを貸して、まあまあ好評だったので調子に乗り、返ってきたDVDをそのまま別の方にお貸ししたのですが、その方の感想は「殺人の映画ですね!」でした。た、確かにそうなんだけど、そういう感想もあるのか!とこちらは焦るとともに発見でした(多分ボーロの制裁の場面がそう言わせたのではないかと思います。ボーロめ)。そのままでは私は「殺人の映画を貸したやつ」ということになるので、すぐに「アパートの鍵貸します」DVDを貸して、ハートウォーミングを図ったのですが、その方の感想は「ダメ上司の話ですね!」でした。一言ぶった切りコメントがとても痛快でした。

今回再読して、十年以上前に読んだブルース・リーの言葉が自分の生き方、考え方に影響を与えてくれていたことに気が付きました。あれ、これってブルース・リーが言っていたことだったのか、と。つまりブルース・リーの教えを自分のものにしている、と嬉しくなりました。

生前、ブルース・リーにはたくさん弟子がいて、そのなかにはジェームズ・コバーンスティーブ・マックイーンもいたそうですが、ブルース・リーの死後も本書を読んだり、ブルース・リーの考えを知る、学ぶことで弟子が増えていくのでしょう。そうするとブルース・リーは今でもそばにいてくれる気がします。(引かないでくださいね)

残念なことに、アマゾンでは値段が高額になっています。文庫版にして書店に並べば、きっと元気になる人が増えると思います。

本書は、ブルース・リー好きな人だけでなく、多くの人に紹介したい友人です。